ボン・ジョーノは、「みんなで創るまち、みんなで育むまち。」をテーマとしたあたらしい仕組みのまち『シェアタウン』です。このシェアタウンの考え方は、従来のまちづくりとはちょっと異なっています。そのため、まちづくりの専門家も、「タウンエディター」という新たな役割でこのまちに関わっていきます。
ボン・ジョーノの各街区については、それぞれ個別の建築家・設計事務所やハウスメーカーが建物や外構のデザインを行います。それらが、バラバラなスタイルのデザインとなってしまっては、せっかくの新しいまちなみがチグハグなものになってしまいます。
一般には、このように街区ごとに開発を行っていく際には、「マスターアーキテクト」という役割の建築家・デザイナーが、統一的なデザイン方針を定め、各街区の設計を監修するなど、全体を統括する役割を果たします。こうして、マスターアーキテクトのコントロールで統一的なまちなみを完成させた後に、まちが居住者の手に委ねられるのです。それは、例えるとテーマパークに住むようなものかもしれません。美しいまちなみでですが、それは与えられたもので、自分で育てていくことはできません。
一方で、ボン・ジョーノのまちづくりでは、マスターアーキテクトではなく、「タウンエディター」という役割を専門家が担っていきます。エディターとは、編集者のことです。そしてまちの主役は、それぞれの街区で居住したり、働いたり、活動したりするひとたちです。この主役たちがこのまちを舞台に、マイホームや施設・店舗でそれぞれの家族の物語や、お店の物語、活動の物語を紡いでいきます。タウンエディターは、そんなみんなの状況にあわせて、ポイントとなる場所のデザインでまちなみを魅力を高めたり、交流の場となるシェアの拠点を設けたりすることで、一つのまちとしての大きな物語を編集していくのです。